火葬場から帰る焼骨

私は常々疑問に思っている事は、火葬場での光景である。死体を火葬にして破壊している。焼き上がった焼骨を係員が骨見本のように説明を始める。先ほどまで泣き悲しんでいた遺族も気持ちを押し殺して収骨を行う。小さな骨壷にいかほどの遺骨が納まるものなのか、多くは火葬場に置いてくる、つまり大切な人を捨ててくるのである、その行き着く先はゴミとして捨てられる。肉体を破壊する事に平気、遺骨の一部分しか持ち帰らなくても平気。焼き上がって出てくる焼骨を私は見たくない、何と残酷な光景なのであろうか。一部分の遺骨ではなく持ち帰るならばその人の全てである総骨でなければ許されない。土へ還すための焼骨が一次であるならば二次として粉末にまで進める必要がある。理想は、焼骨にして更に粉末にする、その焼骨や粉末の過程は遺族に見せない。お骨は一部ではなくて全てを持ち帰る。それをお墓へ納めての追善供養であるべきだ。火葬場でも実行していない、葬儀屋でも行っていない、また全てのお骨を入れる骨壷やお墓の石棺が無いが為に仕方がなく今の体制がとられている。理想通りに行われるとすればこれほど有り難い物はない、今日そのように考えている業者が相談に見えられた。