最高の幸せを忘れている

私は低俗な人間であって、
常に名誉欲や金銭欲の亡者となっていた。

三月に一度の定期受診で主治医に言われた。
『肝炎が完治をして3年を経過している』
『今の治癒率はもっと確かなものになってはいるが、その半面に副作用が増えている』
『貴方は難根治者であるにも関わらず完治をし、しかも副作用が全く無かった』
『ラッキーでした』
四十年間肝炎で悩み続けて来たのに完治をしたこの不思議、有り難さ。
忘れてはならないこの喜びを忘れていた。
何にも替えがたい幸せ者である自覚を失ってはならない。
私は幸せ者なのです。贅沢が出来ているのです。