高野山自性院

お施主さんが乗ってくる特急を待って合流し、高野山へ行った。
雨が上がってガスに曇って霊山がより一層神秘的だ。
正智院の園田さまを頼って出掛けてみたが、
明治の廃寺と火災などで絶えた自性院の資料や文献は無いと言う事だった。
施主の持って来られた資料には、過去帳(證文)には『日牌』と書かれて毎日回向をする取り決めも書かれている。自性院と書かれて寺院も押印されている。施主は、文化財の善神軸も自性院から渡って来ているだけに由来や経緯をどうしても知りたい趣きなのだが、余りにも時間が経過もしていて廃寺の事もあって管理を為さっておられる僧侶としてもこれ以上は無理な様子。初めての高野山と言う事で山内を案内させて頂いた。中国から空海が投げた五鈷杵が突き刺さったと言う場所に生えている、三つ葉の松葉を開運成就を祈念して拾った。六角経蔵を二人で回そうと押して見たがびくとも動かない。見ていた老人が「五人で押さなければ動かない」との事。話してみると、常喜院様のお母さんと言う事で、これもご縁と驚いてご挨拶をした。金剛峰寺を参拝し奥の院の御廟と、燈籠堂の地下に在る五鈷杵を触った。いつもは満員でゆっくり触れないが今日は我々二人だけで思う存分触って祈願を立てた。