斬新すぎる墓地

当方へは沢山の手紙が送られてくる。その中に、これからの墓地と銘うって斬新な考えの図面や資料が送られてきて諮問される。葬式にしろ墓地にしろ墓石にしろ仏壇にしろ、多くの選択肢が生まれた事は良いことと言える。かと言って本筋の墓地墓石が衰退する訳は無い。将来の少子化や宗教離れを見越した斬新な屋内式墓苑の図面が余りにも多い。特徴としてはその場所に居ながら骨壷を保管した小仏壇が出て来る事と、自ら歩んでロッカー式骨壷保管の仏壇へ行く方式がある。なんでもない日であれば良いが多くは彼岸やお盆に御参りが集中する、大変な混雑の中でいずれの方式にしろ待たされる苦痛からの開放が困難であるし、法事を営む場合も狭い場所で数軒の法事が重なればどうしようもない。一戸建ての家からマンションライフが増えたように墓地墓石もそうなるのだろうか?。お骨壺をそのような場所への保管を許すのであれば各お家の仏壇の下部に壺を安置する仏壇を造るほうがよっぽど理に叶っている。壺から空けて母なる浄土の土へ『還す』と言う思想を重視しなければ破綻した安直な考えが間違って蔓延してしまう。