墓石に刻まれている戒名文字の判読

新しく立った時は、墓石にしっかりと戒名が刻まれていたはずだ。
それが五十年百年と経過すると、風化磨耗や苔の付着などで見えなくなってしまう。
その内に、誰の墓石なのかが判らなくなってしまう。
判らないままに、先祖のお墓には違いないと手のみ合わせている。
そんな希薄な事で胸を打つ供養など出来るわけが無い。

墨摺りで判読を試みてみたが及ばない。
片栗粉を塗ると僅かだが判って来る。
所々、飛び飛びに、戒名や年号や位号が判った。
昨日まで一字も判らなかった事を思うと一歩の前進だ。
今、判読に挑戦しておかないと、子孫の時代になると、もっと判読不能に成っている。
先祖を守ると言う事は、
手を合わせる墓石が、しっかりと読めて誰それであると言う認識を持って拝む事に尽きる。