土砂加持

宗教作法に『土砂加持』と言うものが有ります。
土を掛ければ、地獄の苦痛から避けられるという事です。
墓地を買って墓石を立てて土へ還すと言う一連の作法も、この土砂加持に倣っています。
土へ還す事こそ最大の目的なのです。
火葬場から焼骨を壺に収めて帰宅し、仏壇に置いてお勤めをした後に、墓地へ納骨をします。
その時こそ、運搬具の壺から開けて母なり浄土へお骨のまま納めなければ意味が有りません。
壺のまま納めてはならないのです。
昨今ではその本意を僧侶は語りません。
何故ならば、壺のまま納める形態の納骨堂を売らなければならないからです。
本意を無視して販売目的のみに偏向した考えが主流と成っています。
墓じまい、永代供養付き祭祀、納骨堂など、お寺は益々商売繁盛なのです。
正しいお墓や祀り方を説く私も風前の灯火なのです。
お骨を物として捉える人に、仏と見て供養をし感謝を示すべきと言う遠吠えが聞こえないようです。