墓石にこそ戒名を刻むべき

墓石の仏石(棹石)はご本尊様を刻んでお迎えした仏像と化した石である、であるからそれに向かって石像として住職が入魂の開眼式を営むのである。その仏像である石に亡き人の仏名である戒名を刻んで合一することこそ一番の肝心なのである。瑜伽(ヨガ)の心である聖と俗の合体なのである。なおかつ、仏壇でいえば過去帳のように墓誌を立てて死亡年月日と俗名と行年を記録する板石を立てる事もある、ここにも戒名を刻まなければその人を言い表せない、従って戒名が仏石にも墓誌にも2箇所刻む事になるが可笑しな事ではない。仏石に戒名を刻まずに墓誌のみ刻んであることは全く可笑しな間違いである、合掌をして礼拝をする石が一体どちらなのかを考えていただければお判りになると思う、お魂入れや入仏供養を勤める相手は横の板石である墓誌に対してではない、ご本尊様やご先祖様は本体の石である仏石におられるのであるから、そこへ向かって手を合わせているのである。