累宝塔が立つ

累宝塔は京都の石匠『河波忠兵衛師』の入魂の墓塔だ。
特許が切れたと言っても累宝塔は累宝塔だ。
余りにも見事はお墓であるだけに全国から感心が寄せられている。
石材店に申し込んで正しき累宝塔を仕入れて建立されれば良いものを、
ワザワザ最初から製作される人がある。
出来上がった墓石は、累宝塔とは呼べない贋作だ。
京都の祇園で、観光舞子の偽者が闊歩する。
本当の舞子や芸者さんは、これを嫌がっている。
着方や頭や衣装や持ち物に至る物も当然だが、立ち振る舞いの雑さはやはり素人だ。
それと同じ様に累宝塔と呼べるのは累宝塔だけで
後は幾ら似せて造っても偽者や贋作と呼ばれても仕方がない。
それに付随する祀る心と言う物も完備されていない。
写経の一枚も入っているだろうか。
今日の施主は
熱心で一生懸命に先祖調べを完遂されての建墓であった。
立ち上がった姿に値打ちが加味された立派なお墓となった。