お骨は抜け殻ではない

お骨に執着しては成らないと寺は言う。
拝む物ではないと寺が言う。
 
お骨こそが、亡き人その物ではないのか。
形見の品ですら思いが馳せる。
安物の着物であっても故人の愛用していた大切な形見なのです。
まして、遺骨を無視する事が有ってはなりません。
その大切な遺骨を寺に預けたり、納骨堂へ保管してはならないのです。
土へ還して肉片が無に成ってこそ往生が叶ったと見られるのです。
いつまでも俗の世界に残骸を曝したままにしていてはなりません。
お骨を土へ還して行く設備が墓地墓石なのです。
であるのに、ご丁寧に運搬具の壺のまま奉安して一体何としているのですか!。
お骨こそが亡き人であって、浄土へ帰って往く聖なる場所なのです。
 
千の風に成って飛び回っているのではありません。